月色ユーカリプタス

魂をみる私の世界

森下典子『日々是好日』雨の日は雨の音を聴く

森下典子さんの日々是好日という茶道について書いたエッセイ本を知っていますか。

私はこの本が大好きで、大体持ち歩いています。時間があると本を取り出して読む、そんな読み方で三回は読みました。

映画は二回。YouTubeチャンネルにある映画予告も好きで何度も見ました。この本は最後のページまで読むと感動で堪らなく茶道がやってみたくなります。

お茶を点てる世界というのは、頭で覚えるんじゃなくて手で覚えるんですよと、お稽古のたびに教えられ長いこと意味が分からず森下さんの人生が進んでいきます。そしてある時、狭い茶室の世界から五感が解き放たれて自然と一体化しお茶を味わう。暮らしの積み重ねがお茶の世界を深くしていくという作中の描写がすごく好みでした。

 

そして奇しくも霊感を高めたと思われる心の使い方が茶道と同じでした。

 

 

心を込めてその一瞬を全身で味わう

鬱病をした私、霊感で意識が持っていかれやすかった私は、心をここに置く、ということをこの本を通して言葉にして伝えてもらいました。

 

なんだかんだ遠回りをしてセレンディピティしてますよね。ちゃんと大事なことを拾ってきていました。

 

大好きな言葉

雨の日は雨の音を聴く

 

この言葉だけで記憶の中の雨の景色が始まります。夏の雨はアスファルトの匂いや土の匂い、屋根の瓦に当たる音、車のボンネットに当たる音、パシパシと草が揺れ動く姿です。

この年になったからか雨に打たれて歩くのも色んな歳の雨の記憶を呼び起こすので好きだったりします。五感が覚えているんですよね。

ある日の夜は少し開けた窓から湿気った空気と一緒に遠くの雷鳴を聞きながら眠りにつきました。

 

なんでもない日常が私の感性を磨いています。