母方の祖父の家に夏休みを利用して泊まりに行ったときのことです。
当時の私は絵を描くことが大好きで四六時中描いていました。描いていないと駄目なくらいで、没頭して描くその時間は今思えば瞑想に近いものでした。
そのまま夜を迎え、22時頃から私のすぐ上の、手を伸ばせば触れる一本の柱から家鳴りが始まりました。
やたらになるのです。バキッ、バキッと。
家鳴りは気温差や湿度などの関係で鳴ることは知っていますが、部分的に段々と回数が多くなっていきました。
実家でもたまに私の近くでやたらに多くなることもあったので、うるさいなと思う反面、慣れと回数の多さに内心面白がっていました。
真夜中の一時を過ぎると、天井の四隅からカラカラカラカラとガチャガチャのプラスチックボールを転がすような音がしだしてギョッとしました。すごく早く天井隅を音が走り回ります。
天井裏の音、ネズミ、動物類でもない、天井の表側で不思議な音がしばらく続きました。
私しか居ない空間でこれはどうするのがベストなのっ!?
この日、空が白み始める時間帯まで寝ることができませんでした。
祖父の家は比較的新しい家で、不思議なことは何も起きたことがなかったので本当に驚きました。
学生時代、修学旅行で長崎の平和公園を訪れたときのお話です。ボランティアの方から想像を絶する当時の話を聞き入り想像の中で平和について考えていました。
その場所から移動し、階段を上っていると突然スカートを後ろから引っ張られました。
クイッ
振り返ると二メートルほど後ろの距離に他のクラスの子がいました。でもその子達は夢中でグループトークをしていたのでとてもスカートを引っ張れる距離ではありませんでした。
え、誰?え、え?
すぐ後ろに誰もいないよ
いやいやいや、今の感覚は何だったんだろう。しっかり引っ張られた感覚があったよ……。
今までこういった不思議な体験を友達に話したことは殆んどありませんでしたが、このときばかりは誰もいないのにスカートを引っ張られたと思い切って伝えました。すると妖怪の話をしてくれたことのある友達も顎を触られたと返してくれました。
誰かいるんだ……。
そう確信した私は、祈る気持ちでその場をあとにしました。
だいぶ時間が経ってしまったのですが、この現象は何だったのかを知りたくなった私は、ヒーラーの先生に相談し鑑定をしてもらいました。祖父の家は亡くなった動物が出てきたもので、長崎は亡くなった子供だったそうです。